【タロウの話】タロウは2000年の4月に縁あって我が家の一員となりました。 タロウには辛い過去があります。 飼い主は私が聞いているだけで5回変っています。 タロウがうちに来る前は私の叔母が飼っていました。 叔母は近所でいつもウロウロしている野良犬だったタロウを保護し、一度は知り合いのところで飼ってもらったのですが、なんとそこでタロウは虐待されていました。 それを知った叔母は慌ててタロウを取り戻し、その後2年間自分で飼っていたのですが、叔母は末期癌で余命2ヶ月と宣告され、タロウの里親を探さなければならなくなってしまったのです。 でも、過去に沢山辛い思いをしてきたタロウを家族の一員として最後まで大切にしてくれる人を探す為の時間はもう叔母にほとんど残されてなく、困り果てていた彼女に「タロウの飼い主になるよ」と私が立候補しました。 叔母が保護をする前のタロウですが、最初に飼っていた家族が転勤になり、タロウを連れて行く事ができないから捨てたそうです。 その後、あるお婆さんに拾われ飼われていたのですが、お婆さんが亡くなってしまい、彼女の家族にまた捨てられてしまったそうです。 飼われていた期間と野良だった期間がそれぞれどれぐらいずつなのかが全くわからないのですが、叔母が保護した時にフィラリア検査が(-)だったのを考えると、そんなに放浪期間は長くなかったのかな・・・なんて思ってます。 タロウは私にとって初めて飼うワンコです。 犬を飼う為の知識が「無」の状態でタロウを迎え入れ、最初は「なんで?」「どーして??」なんてことだらけ。 それと、タロウは子犬ではなくもう立派な成犬だった上に、信頼していた飼い主に捨てられたり虐待されたりを経験し、心に大きな傷を抱えていた子だったので、タロウとの生活は私がイメージしていた「犬との生活」とは全く違うものでした。 「犬らしさが全く無い犬」と言うか・・・無表情、無感情。 この子は声が出ないのかな?と思うぐらい常に静か。 撫でようと体に触れると「ビクッ!!」とし、恐怖心からガチガチに体を硬直させる。 いつも遠慮がちに部屋の隅っこにいて、私達家族の動きをじっと息をひそめて見つめている。 ・・・といった感じでした(汗) なので、最初はとにかく「どうしたらこの子と仲良くなれるだろう?」と言う事ばかり考えてたなぁ。 そして、人間不信のタロウの心を開く手段として私が選んだのは、「嫌がられてもお構いなし!とにかく触れて話しかける♪」でした(笑) 毎日毎日タロウにベタベタくっつき、言葉はわからなくても話かける。 「私は絶対に痛い事はしないよ。ずっと大切にするからね。」 みたいな事をタロウの耳元で繰り返し言ってたっけな~(苦笑) ここだけの話・・・私がタロウを飼い始めて約1ヵ月後、8年半勤めていた会社を突然辞めた理由は、実はタロウと一緒に過ごす時間がもっともっと欲しいと切に思ったからでもありました。 平日は朝でかけて夜帰ってくるため、タロウと過ごせる時間が限られてしまい、いくら週末一緒に過ごす時間を作っても一向にタロウとの距離が縮まらない事がものすごく悲しくて。 なら思い切って仕事辞めて、みっちりタロウと過ごしてやる~~~~って!(笑) でもその甲斐あってか、タロウは本当に少しずつだったけど一歩一歩確実に私達家族との距離を縮めていくことができました。 そして今ではもうすっかりしっかり甘えん坊、家族大好きワンコになりました♪ 過去に沢山辛い思いをしてきたタロウ。 当然「人間不信」になってもおかしくない仕打ちをされてきたタロウ。 我が家に来た時、「ここにはどれぐらい居られるんだろう・・・」なんて思ったりしたのかなぁ。 これから先、あとどれぐらい一緒にいられるんだろう? でもきっとタロウは最終的に我が家に来る運命だったんだろうし、これからも家族の宝物として大切に「猫っかわいがり」して行きます!(^-^) 今と比べてとても痩せてます・・・(^▽^; |